蒼穹の昴
- 2012.01.26 Thursday
- 12:52
蒼穹の昴
(上巻351ページ・下巻411ページ)
浅田次郎
講談社
頭ではできないと思っていても、体がちゃんとやってくれる。
血と汗を流した修行ってのはそんなもんだ」
「人間はできないと思ったら歩くことだってできやしねえんだ。--(中略)--
胸を張って、しっかり前を見ながら歩くことが一番むずかしいんだ」
「おいらに夢を恵んでくれた・・・(中略)一番大事なものを恵んでくれたんだよ」
「お告げなんてそんなもんだ。
運命なんて頑張りゃいくらだって変えられるんだ」
「人間の力をもってしても変えられぬ宿命など、あってたまるものか」
「なぜだかわかるか、やい小李子。春児はな、殴られっぱなしのわしらの、夢だったんだ。
(中略)神様ってのはこういうもんだ。決して拝んだり頼ったりするもんじゃねえ。
いつも貧乏な人間のそばにいて、いてくれるだけで生きる望みをつないでくれる、
ありがてえ、かわいいものだ。」
「僕らのなすべきことは、決して施しであってはならなかった。(中略)
そう、施すのではなく、尽くすのだ」
「難しく考えるな、史了。知恵も力も何もいらない。やさしさだけがあればいいんだ。
大地も空も時間も、すべてを被い尽くすほどのやさしささえあれば・・・」
ストーリーをわずかでも語るわけにはいきません。
とにかく読み応え十分の物語です。
歴史の本音はこうだったかもしれないと、錯覚を起こすほどよくできています。
人物像が見事に確立され、時代考証の的確さが、壮大な歴史小説を後押しします。
彼がほんとうに描きたかったのは、人と、その夢見る力のすばらしさ、欲に走る人間の悲しさ、過ちの天命の虚しさ、なのでしょうか。
登場人物の台詞に、作家浅田次郎の伝えんとしたものが隠されているように思い、引用しました。
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