傍聞き

  • 2012.05.14 Monday
  • 20:59
JUGEMテーマ:読書感想文
 傍聞き (双葉文庫) [文庫]
長岡 弘樹(著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4575514535/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



この本を読み終えて、思い出した祈りがあります。

 
  神よ私たちにお与えください。

  変えることのできないものを受け入れる冷静さと、

  変えることのできるものを変える勇気を。

  そして、その2つを見分けるための知恵を。


 1943年にラインホールド・ニーバー牧師が

マサチューセッツ州の小さな教会で初めて唱えた祈りです。




 私は、はじめマザーテレサの言葉だと勘違いして覚えていました。

大きな問題ではないと思っています。

この祈りに出会って、私は本当に感謝しているのですから。



 変えることのできないものに執着してしまうことが、

嫌になるほど多い未熟者の私でした。

しかも、変えられるものと変えられないものについて、

じっくり考えようとしない人を

心の中で責めしまう、自分勝手な人間だったのです。



まさにミラー効果、

自分のいやな部分を他人に投影していたのでしょう。





 いくら努力しても

自分の力では変えようがないことはたくさんあります。



すでに起きてしまったことや失ったものは、

別の道を選んでいたら・・・・と思い悩んでいても、

つらくなるだけです。



 しかし、変えられないこととして

受け入れるという選択があることを

私は長い間、本当の意味では理解しないまま生きていました。




 少なくとも、変えようと努力するだけの価値のあるものがある、

と分かれば、変えられないことも

受け入れることができるのではないでしょうか。



「あきらめる」というのは「明らめる」ということなのだと、

何かの本で読みました。


けっして後退ではなく、できることとできなことを明らかにすること。


そんなことをずっと考えさせてくれるミステリーでした。



 面白いなんてもんじゃない!

面白すぎ!・・・でも、まだ表現が足りない!



どうしてこんなに面白いと言えるのか、は、

やはり後味がいいからなのです。



 とっさのときに、こんな前向きな「あきらめ力」を発揮するには、

人間を磨かなくちゃなりません。





自分に言い聞かせます。

「執着は、欲しくないモノを注文しているのと一緒だからね!」







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自転車いっぱい花かごにして

  • 2012.05.11 Friday
  • 09:23
JUGEMテーマ:読書感想文
 自転車いっぱい花かごにして (講談社文庫) [文庫]
渡辺 一枝(著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4061850083/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



 見えないものが見えるのはわかっている。

それを書いてもいいの?



そう問いかけて



「いいんじゃない」




と言ってもらえたから。


その膝につかまるようにもたれかかって、肩を抱かれてホッとした。



ずっとこうしてくれる人がほしかった。そう思った。



 その日以来、私は似顔絵を書いていた。

似顔絵には、「見えないとわかっている」モノも書く。





 はじめて、その見えないものを見たのは小学校のころだった。


姉と二人でこたつに入りマンガを読んでいた時、つと、気配がして


顔を上げると

金髪で青い目の青年が姉の後ろから漫画を一緒に覗き込んでいた。

ちょうど、萩尾望都さんのマンガを読んでいた。



マンガから抜け出してきたら、現実の外人は、こんななんだろうな、

ちょっとがっかりだけど、と思ったことを覚えている。





 その青年が夢に出てきて私の問いかけに答えてくれたのだ。


誰かのそばには

泣いているモノ、笑っているモノ、

ときにはもう空気にすけそうなほど透明になりかかっているモノもある。


数えるほどだが、私が似顔絵を書き終わるまで

じっとそこにいてくれるモノがあった。






 人とモノのツーショットやスリーショットの似顔絵を何枚か書き、


そうして、人に見えないモノは私にも見えなくなった。



 長女が2歳の時「シバ」と呼ぶ友達がいて、


多分それは私の肩を抱いて

「いいんじゃない」と言ってくれたあのモノだとわかっていたから、


長女の言うとおり、おやつにはシバの分もお茶を入れ、シバの席も開けた。



長女はこんなに小さいころから守られているのだということが嬉しかった。








 あの、ほのぼのとした安心感が戻ってきた。



この本のページを繰るたびに懐かしくてうれしくて

植物図鑑が欲しくなった。野草の、ね。


限りなく現実的な自然と暮らしであり、限りなく優しい。



守られていることの意味を思い出させてくれた。


ほら、つと、気配がする。

虫の音が、鳥の声が。



 



 そして草の中にあのモノたちはきっとつかまっている。

そんな気がした。












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采配

  • 2012.05.10 Thursday
  • 22:03
JUGEMテーマ:読書感想文
采配 [単行本(ソフトカバー)]
落合博満 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4478016267/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



 中でも私がひざを打ったのは、「スーパサブ」という言葉。

レギュラーだけでチームが成り立つわけではない。

チームになくてはならないスーパーサブ二人の例を挙げてくれる。



 おおー!まさにあたしゃ目指すはスーパーサブじゃないかいな!

これだこれだ……と妙に浮かれた。


いなきゃ困るスーパーサブ!

いなきゃ困ると勝手に自分で思っている。


 もし勘違いだとしても、仕事に対する意気込みが

そこから変わってくるのだとしたら、それもスーパーのうち。




 昨日だって、私が出勤したらばタイムカードの横に

「高橋さんへ これ植えて下さい」

と大きな張り紙のついた鉢植えが置いてあった。

正確にはケーキ箱に詰めてあったスズランの株である。



 階段の踊り場も花壇も植え込みもおかげで大成功しているので、

植物再生機構の高橋と認知されてきたのだな。



ほくほくと始業30分前には花植ばばぁに変身だ。


朝礼の前に『ありがとねえ!』と言いに行くと、

「自宅の庭で増えすぎちゃって困っていたから、

スズランの株、捨てないで済んで、こちらこそ感謝です」

と言ってくれた。






 考えてみればこれこそ私の一芸。

適材適所で活用する……植物の話ですけどね。


植物相手は物言わぬゆえに文句も伝わってはこないから、

適材適所というのもつまり、自己満足の極みかもしれないが。



実はこうイレギュラーな期待をされても

少し面倒くさいのである。

しかし顔には満面の笑み。

「高橋さんが喜んでくれるかなと思っていたから

そんなに喜んでくれると、本当に嬉しいです」

と言われるほどニッカニッカなのだ。




この本にも書いてあるでしょ?

腹の中は読まれちゃいけないのよ。



 この「腹の中を読まれるな」にしても

「管理職ならば、社員のモチベーションを保つためにも

自分の腹の中を読まれてはいけない」ってことかなあ、


と自分なりに身近な例を思い浮かべて考えていた。


「これは身のまわりに置き換えると?」

という意識を持って読むと、何倍も可能性が広がる本である。

また、そのように読まされてしまう本だとも思う。














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幸福論

  • 2012.05.09 Wednesday
  • 06:01
JUGEMテーマ:読書感想文
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幸福論 (集英社文庫) [文庫]
アラン (著) 白井 健三郎 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4087520374/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



私は、63章目の出だしが一番好きです。




「本物の不幸はかなりあることはある。そうだからといって、

人々が一種の想像力のとりことなって、そのために不幸を

いっそう大きくしていることに変わりはない。

自分のやっている職業に不平を言っているような人に、

あなたは毎日、すくなくともひとりぐらいは出会うだろう」

「どんなことにも文句はつけれるものだし、なにものも完全ではないからだ」






 職場には「ボヤッキー」「ドナリチラシー」「ションボリー」と

私が勝手につけたあだ名で呼んでいる三人組がいます。




こう呼ぶようになってから、文句を付け始めても

「でた!ボヤッキーのボヤッキー♪」とか、

「ドナリチラシ─、全開です♪」などと

わたしに実況中継されるから、苦笑いしてしまうようになりました。

「ションボリーと一緒にションボリー」

などと、隣で私もうつむくと、思わず笑顔になってくれるのです。




 「なんだか最近、そのちゃん、怒鳴り散らしませんね」

「いいださん、ぼやく前に、あ、まずいまずいとか言っちゃって」


「ざわさん、しょんぼりしないで、なんだよもう、って笑ってましたよ」


そんな報告がきかれるようになったから、うれしい。




 真面目に指摘したところで何も変わりません。



それどころか、指摘されればなおさら防衛本能からか、

かたくなになってしまうのではないでしょうか。

攻撃的になったり、引きこもってしまったり、

反応は千差万別に見えますけど、原因はひとつ。

こわいんだな、と私は思っています。





 大人が頭を掻こうとして手を上げたら、

さっと目をつぶり頭を庇うようにする子どもにであったこと、

ありませんか?

大人の手がこわいんです。



それ、説得しても治りません。






 小雨が降っていたら傘を広げればいい。

傘を振り回す必要も、「嫌な雨だ!」と罵る必要もない。

ましてや、ぐちぐち陰気になったってはじまらない。




そんな風に説教するより、隣で

「結構なお湿りだ♪」

と言って、傘を広げて上げることがいいと、私は思います。















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「脳にいいこと」だけをやりなさい!

  • 2012.05.08 Tuesday
  • 06:58
JUGEMテーマ:読書感想文
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「脳にいいこと」だけをやりなさい! [単行本]
マーシー・シャイモフ (著)
茂木健一郎 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4837956963/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



 帰宅した途端、娘が「角煮食いたい」と言う。

冷蔵庫には同じバラ肉でもスライスしかない。

そこで、それを重ねてミルフィーユ角煮を作ったら、大好評。



 たとえばこんな些細なことだって、ひらめくためには、

その前にミルフィーユトンカツを作ったりという実績があるわけで、

組み合わせや調理法は応用でしかない。


 人間の行動の90%は習慣によるものだと言う。

私の習慣は、冷蔵庫にあるものでなるべく家族の満足度を上げること。

新たに買わない、というのはほぼ決定事項である。



 同じ材料で何通りもの活用が出来るのは、主婦歴30年のおかげで、

毎日必ず1品は創作料理だというのも、経験のなせるわざだ。

目分量で適当に作っても失敗することはほとんどない。



 しかし、同じように長年主婦をやっていても、

私の母は料理がとても苦手だった。

料理本があれば作れるかもしれないというので

二冊ほどプレゼントしたことがあるが、

その本の材料が完璧に用意できないと作れないのである。



 こういった、応用以前の問題は料理に限らない。


たとえば掃除。

私はボロ雑巾一枚あればほとんどの掃除は出来ると思う。

同じ事務所の掃除でも、掃除用品が無いとできない、と

主張する同僚がいる。

結果的にその人が「○○がないからできない」と言っている間に

ほとんど毎朝、私が掃除してしまう。



 とりあえずやってみる、という癖も経験のなせるわざか。

便利な道具はあれば便利なだけで、無くても何とかなる。

昨日も一昨日もそうだった。無くても何とか、なった。



 そして同僚は、「柄の短いほうき」が来ても、

「水ぶきできるモップが無い」と一昨日は言っていた。

モップが来ても、「ゴム手袋が無い」と昨日は言う。

私は、今日は、何が無いのだろうかとワクワクしている。



 人は今日考えていることの95%は昨日も一昨日も考えている。

それならば、どうやって脳にいい習慣をつけたらいいのだろう、と

この本を開いて笑った。


なんだ、この本を読むことが一番“脳にいいこと”じゃないの。















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絶望名人カフカの人生論

  • 2012.05.07 Monday
  • 06:55
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絶望名人カフカの人生論 [単行本]
フランツ・カフカ (著), 頭木弘樹 (編集, 翻訳)
http://www.amazon.co.jp/dp/4864101159/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



 想像を絶する広さのテーマパークで遊んだ。



「わんぱく広場」でさんざアスレチック遊具で遊んだ後、

「こども動物園」に行きたいと言うリクエストに応えるためには、

車で移動しなければ無理だろう、と判断したほどの広さだ。



 ありがたいことに、“村”には

全体をぐるっと取り囲むように道路が巡らされ、

そこかしこに駐車場があるから、午前中は自由に車で移動出来た。




 午後には、園内の道路も大渋滞となっていたが、その前に

「せせらぎの丘」の木陰をわれらの基地と決め込むことにする。



大人は“村”の名物、ビールとソーセージ、

子どもは水遊びと芝滑り、サッカー、こども動物園、

アトラクション遊園地などを楽しめる好立地条件だ。






 山のように作ってきたはずのサンドイッチとおにぎりが

きれいに無くなっても、子どもたちは帰りたくないと駄々をこねた。



ここには“いつの間にか出来た”があふれていたのだ。







 人間には努力を苦悩だと思わずに楽しみに変えてしまう瞬間が必要だ。


特に子どもときたら、

そういう経験のためなら全てをなげ打つ生き物である。



 4歳の孫は走り方すら、朝と午後では明らかに変わっていた。

サッカーボールをキックする姿も幼児から男の子になっている。



 二年生になる末っ子の甥っ子は、普段は

「時間割も亜美ちゃん(上のお姉ちゃん)に調べてもらう」

と言う甘えん坊だそうだが、自分より幼い孫の面倒を見て、

“お兄ちゃん”である自信に満ち溢れていた。



 二人のお姉ちゃんは、タオルを持って

びしょぬれの“弟たち”を追いかけ回して世話を焼いたり

うちの三女と姿を消しては

「空中ブランコに乗ってきた!」

「クロブタに餌を上げた!」

とほっぺを紅潮させて帰ってくる。



こちらも『いつの間にかできた』のオンパレードである。







 この輝く初夏の光の中で私は、カフカの絶望について考えていた。



“何かしようにも”“やることがなかった”?

“生きがいを感じたことでは、非難され、けなされ、叩きのめされ”?








そうか、この子どもたちはカフカにはなれないな、と。














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幸田文の箪笥の引き出し

  • 2012.05.03 Thursday
  • 15:03
JUGEMテーマ:読書感想文
 幸田文の箪笥の引き出し (新潮文庫) [文庫]
青木 玉 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4101216215/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



 その箪笥の中身は

「手まめ手器用、抜群のセンスの親」

と娘に言わせただけのことはある、とため息が出た。



 ご自身が寂しい生い立ちだからだろうか、

一人娘に尽くした心遣いは、微細に至る。

玉さんの結婚式に新調したという紫の色留袖だって、

人によれば、不謹慎とも取られかねないが、

心細い花嫁が披露宴会場で、一目で母親のいる場所を

見つけることが出来るように、ということだっただろう。




 「一体、子とは生まれる前から、どれほど親に

あれこれと着るものの面倒を見てもらって育つものなのか」


こんな風に母親を思いだすことのできる玉さんは、

心根の優しい娘さんだと思う。


 お二人の写真を見比べると、よく似ている。

ただ、文さんの方が、ちょっとばかり、印象が強い。

顔かたちも、スラリとした体型も、よく似ているのに、

後ろ姿ですら、玉さんのほうはどことなく優しい。



同じきものを着ても

これほどに醸し出す雰囲気とは人によるものなのか。

玉さんのたおやかさには、母の愛に包まれて育った安心感がある。



 それにしても仲の良い親子だ。

玉さんの祖父、幸田露伴の一周忌のエピソードはそれを物語る。



朝早くから言いつけどおり「息のつまる」島田に結って、

大きな髪が周囲の邪魔ではないかと気を使いながら、

小さくなって客席に座る娘。


大きな舞台の上で堂々と、よく通る声で挨拶をする母。


この二人は、この会場に向かう直前にきものを取り換えっこした。

理由は

「会場が思ったより広くて暗いの、新しく拵えたきものは

色が中途半端でどうにもならない、困っちゃった」

ためである。


娘に着せようとしていたきものを見て

「物は相談だけど、これ母さんに貸してくれない」

「はー?いいわよ。でも裸で道中なるものか、そっちの着物きせてよ」

となったのだと言う。




 遊びに求めた道楽のきものは一枚もなかったという。

「自分の決めた“分”にあったもの」を思いきりと機転で

大切に着続けた文さんは、やはり私の、一番尊敬する女性である。











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奇跡の脳: 脳科学者の脳が壊れたとき

  • 2012.05.02 Wednesday
  • 23:32
JUGEMテーマ:読書感想文
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奇跡の脳: 脳科学者の脳が壊れたとき (新潮文庫) [文庫]
ジル・ボルト テイラー (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4102180214/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



 吉川橋の交差点に咲いているのはハルジオン。

レイクタウンから会社まで歩く間に群生しているのはヒメジョオン。



下向きなハルジオンと空を見上げるヒメジョオン。

私には彼らの視線の行く先が見えるような気がする。


そう、向いた方向にエネルギーは流れる。



この本の中で、「エネルギーを奪われる」とか

「前向きのエネルギーを見せる」という言葉が

私には、とても心に響いた。



 脳は入って来る刺激に基づいて「つながり方」を変えるという。

いわゆる【可塑(かそ)性】であるが、このおかげで、

私たちは何かの機能が失われても回復することが出来るのだ。

その実際……驚異的な自分の経験を内側から観察するという、

信じられない離れ業をやって見せてくれた脳科学者が、いる。




 そのジル・テイラー氏の「プレゼン」をNHKの番組で観たとき、

スライドも動画ない、身振り手振りと話だけの単純さに驚いた。

それなのに右脳に直撃する感動に

“なんだなんだ?なんなんだ、この感じは!”

と打ちふるえた。



とにかくもう一度読まなくては!




 そう、以前に単行本を図書館から借りて読んだことがある。

そのときは、何故だかスル─してしまった。



しかし、今回は比べ物にならない興味がわいているので、

はからずも、文庫化されたばかり!の本書を即、購入した。






 ジルは世界の中でどうありたいのか常に考える人。


そう、私たちは正しくあるより、幸せになりたいのだ。



ジルは賢明な庭師。

どのような庭を受け継いだのかに関係なく、意識的に庭を作る。





 ジルは言う。

「感情的、生理的な反応は90秒」だと。

自分が歓迎しない怒りや不安などの症状が出たとき、

90秒じっと待って、

その後、脳に話しかければいいのだそうだ。

「興味が無いわ」。



90秒間は好きなようにさせる。やりたいように。

子どもと同じで感情は、聞いてもらったり、

認めてもらったりすれば収まるのだ、と。



 ジルは、取り戻したいものは取り戻し、

捨て去りたいものは捨て去り、見事に生還し、

脳卒中の前より幸せになった。











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たのしみを財産に変える生活

  • 2012.05.01 Tuesday
  • 23:30
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 たのしみを財産に変える生活 [単行本(ソフトカバー)]
本多 静六 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4309245889/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



 4年前、途中で使うのをやめたノートがあった。


初めて奮発した、私にとって、中々高価なノートである。

図らずもそのノートを4月に購入した4年前、

5月に母が亡くなって、いろいろな親族の問題が表面化して、

ほぼ同時期に三女が登校拒否になった。




 ノートはいつも私が手を伸ばせば届くところにあった。

葬儀やお墓や、49日法要の見積りと、親族との話し合いのために

その立派な装丁のノートは重宝したのである。


三女の学校での面談や話し合いにも持って行ったなあ。



 その後すべてが解決して

公の記録以外に使うのを憚られ、自然、途中で終わっていた。





 そのノートを最近になって、また使っている。

今度は日常のことや読んだ本のことを思いつくまま書いている。




前半部分の4年前の見積書や落書きを、時々眺めると面白い。



 こういう使い方もいいな、と思う。

自分が成長というのか、進化というのか、とにかく

“ちったあ、ましになったようだ”と思えるからだ。





 人間にはすごい力が隠されているから、ヤッカイな困難こそ、

喜び勇んで征服していくことだと本多静六さんはおっしゃるが、

そのご意見も、かなり微細に実感できる。

4年前のことを読み返せば、よく乗り越えられたな、

よくもまあ、こんな力があったのものだと感謝することばかりだ。






 「与える方で良かった。与えられるほうでなく」

と4年前の私は書き、

本多静六さんはこの本の中に

「与えるものは、与えられるものより多くの幸福を感じる」

と書かれている。





 もうひとつ特筆すべき共通項だが

「偶然に得た幸福は悲惨をもたらす」

とこの本に書かれていたことだ。




 
 4年前、親族の一人の借金のために、

母の遺したわずかな財産がきれいさっぱり消えた。

相続は故人が保証人になった負債にも適用となる。



その親族はある多額の保険金を受け取った後の10年で、

貯蓄どころか、負の財産を築いていた。



 それを知って

「“棚からぼた餅”って、かえって不幸になるなあ……」

と実感した。






 登山電車で山頂まで運ばれた人は

登山家と同じ太陽を見ることはできないのだ。













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マイ仏教

  • 2012.04.25 Wednesday
  • 08:17
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 マイ仏教 (新潮新書) [新書]
みうらじゅん (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4106104210/ref=nosim/?tag=donzoko-22



 



 まったく、天才ですよね。

みうらじゅんさんが普通の手順で地獄の紹介をして、

それで納得させて終わらせるわけはないのです。


この『第4章 地獄ブームと後ろメタファー』でも、

必要なのは想像力なのです。

地獄に落とされたものの痛み苦しみが想像できなければ、

ただのお笑いネタになってしまうからね、ほんとに。



 だって、『朱誅朱誅処』の説明で、このカテゴリーで、

友だちが苦しんでいたらかなり気まずい、とか書くのです。

「羊やロバと性交した者」のカテゴリーだから、

あいつ、そんなことまでしたのか……とか。



もう、爆笑してしまいますから。



「やめてください、みうらじゅんさん」とか

涙を流しながら、大笑いしても、そうではない。

会社でも読むのをやめないのは、自己責任ですからね。






 何よりすごいな、と思ったのは「グレイと余生──あとがきにかえて」。

「人間なんて」の答えは

“ララーラララララーラ♪”だというところ。

これ、50代以上限定じゃねえの、とまたもや大爆笑。

吉田拓郎さんの「人間なんて」……知ってます?



そもそも答えがないことで悩もうとしていたのが、間違いだと。

そういうことらしいんですけどね。笑えるなあ。




 彼はおっしゃる。

マイ念仏を持て、と。

ちなみにみうらじゅん氏の念仏は

「そこがいいんじゃない!」だそうです。

もうひとつ「不安タスティック!」ってえのもあるそうな。

言葉自体に意味が無くても、発することでパワーが出ると言うんですね。



 で、私も考えてみました。

そしたら、最近気にいっている念仏、すでにあったんですよ。



「それで?何が問題なの?」




 「光」という本を光文社さんから出しておられる土居伸光さんに

教えていただいた、被害者意識を持たないための言葉なんです。


あのお話もすごく感動したんです。



苦しみは自分で作っている、とおっしゃっていました。

だから、「ら行」の受身形をやめるんだ、と。




 あれ?

そういえばこれ、この本の

“「自分探し」より「自分なくし」”と

同じ理屈じゃないかしら。














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